もう少しだ。もう少し。

ずっとこんな感じなんだろうか。

自分でどこかで区切りを付けたいのにつけられない。

付けたくないのかもしれない。

 

未だに錯覚する。

寝てるか起きてるかふわふわとしていると

 

彼の細い腕が私の首の下に滑り込んでくる気がして。

 

いつものように私のTシャツをめくってお腹をさすってくるんじゃないかって。

 

振り返ると短く一回キスをして、私の顔を自分の胸に抱き寄せるんじゃないかって。

 

思ってしまう。

けど、絶対もう一生ない。

 

だめな彼が好きだった。

少し心の弱い人だった。

ずるい人だった。

 

不器用で優しさが分かりにくい。

でも、その優しさに気付いた時誰よりも愛おしく思ってしまう。

 

すごい大切だったよ。

私は少しおかしかったのかも。大切すぎて壊してしまいたかった。私のことで傷ついてほしかった。

 

一度喧嘩した時に私は

誰よりも不幸になってって言った

あれはきっと本心だったよ。

 

私が幸せにできないことが悔しくて、それなら不幸になってほしかったの。

それくらい狂ってた。

 

最近やっと彼との思い出が優しく思えるものになってきた気がして。

 

別れた時はずっと苦しくて悲しくて一緒にいた時間が辛い日々だった気がして、

でも今ふと思うのは幸せだった自分で。

 

会話の一つ一つが愛おしく思える。

優しく想える。

 

もう少しだ。もう少し。

許してあげてほしい。

 

そして、あの時の私を頑張った

もう大丈夫。泣かなくていいって

抱きしめてあげたい。

 

もう幸せになってもいいだろ。